東日本の酒販年金事件の被害者105人が全国小売酒販組合中央会(小売中央会)、事件発生時の小売中央会事務局長・関秀雄被告(背任などの罪で懲役7年の刑が確定し服役中)、クレディ・スイス銀行、当時の小売中央会専務理事・吉竹脩男被告、投資を仲介した金融ブローカーの砂古健被告、クレディスイス銀行の元行員の日下部治郎被告らを相手に約3億5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が9月27日、東京地裁で言い渡され、志田原信三裁判長は小売中央会、関被告、吉竹被告、砂古被告の4者に対して請求額の80%に当たる約2億8000万円の賠償を命じた。
原告側は、20%の減額などについて判決を不服として即日控訴する方針を固めた。小売中央会も控訴する方針。
判決では、理事会の承認を得ずに集中投資したのは明らかに違法などとして、小売中央会と関被告ら3人に対して約2億8千万円の賠償を命じ、小売中央会の使用者責任も認めた。しかし、クレディ・スイス銀行などへの請求は棄却された。
酒販年金事件をめぐっては、大阪地裁でも今年7月25日に年金の被害者65人が小売中央会、クレディ・スイス銀行、関被告などに対して損害賠償を求めた訴訟があり、小売中央会や関被告ら4者に請求通りの約1億7500万円の賠償を命じる判決が言い渡されている。
判決後、東京裁判の原告弁護団は、「大阪では請求額の100%の賠償を命じたが東京では請求額の80%の判決となった。東京と大阪の違いが何なのか理解に苦しむ判決だ。20%の減額分と棄却された他の被告への賠償について大阪の弁護団とも相談しながら決定し、控訴したい」と今後の方針を話した。