冨安 民事再生法の適用申請

2007年05月21日

 【福岡】清酒「冨の寿」醸造元、冨安合名会社(久留米市、冨安俊男代表)が約4億6500万円の負債で、福岡地裁久留米支部に民事再生法の適用を申請していたことが明らかになった。申請日は5月1日。

 同社の創業は寛政2年(1790年)。焼酎製造兼業メーカーで、直近の売上高は約3億7000万円(平成18年6月期)。「負債より資産が上回っているが、キャッシュフローの不足」(冨安代表)で今回の事態に至った。資産優位の状況から、債権支払期日の延期は伴うものの、「債権カットは一切行わない」(同)方針。法的な債権者集会に先立ち、5月15日には債権者への説明会を開いた。

 「清酒事業は縮小せざるをえない」(同)が、今後も事業継続の考え。冨安代表は福岡県酒造組合の会長を務めているが、同組に対しすでに辞任届を提出している。

 冨安氏の辞任に伴い、福岡県酒造組合は5月11日、理事会を開催し、副会長の髙木泰三郎氏((株)いそのさわ社長)を後任の新会長に選任した。