前田鐵雄会長が逝去 主量販チェーン「酒の楽市」の㈱前田

2008年01月18日

 酒量販チェーン「酒の楽市」を展開し、業務用大手卸としても知られる(株)前田の前田鐵雄会長が1月10日、逝去した。60歳だった。通夜は1月13日午後7時から、(株)前田と前田家の合同葬は14日午後1時から、大阪府吹田市の公益社千里会館で執り行われ、酒類メーカー、取引卸、納入先料飲店などから多数の参列者があった。喪主は長男で同社社長の前田貞洋氏。

 同社は大正10年創業の老舗業務用酒販店で、昭和47年に法人化、前田氏が初代社長に就任した。その後、平成6年に酒量販チェーン「楽市」池田本店をオープンし、本格的に家庭用市場への進出を果たした。その後は北摂地区をドミナントに「楽市」を集中出店し、西日本一の規模を誇る酒量販チェーンに育成するとともに、福岡地区への進出や、東京の酒量販「ボンサンテ」に出資するなど、積極的な拡大策を続けた。同時に地方の清酒、焼酎蔵の発掘にも力を入れ、宮崎県と新潟県の蔵元に投資、育成に力を入れるなど、酒類産業の新たなモデルケースを築いた。その早過ぎる死に、各界から哀惜の言葉が相次いだ。