【福岡・熊本】業務用酒類販売大手の(株)ダンガミ(福岡市、段上昌治社長、設立昭和42年)と(株)寺本酒販(熊本市、寺本光明社長、同平成4年)が、資本業務提携で合意に至ったことが明らかになった。合意(実施)日は10月6日。両社が互いに数%の株式を持ち合い、特に飲食店の新規出店情報などを共有し、業容拡大につなげるねらい。九州全域での地盤確保を急速に進める競合他社への対抗策の意味合いが強く、今回の合意を足掛かりに、さらに提携関係の構築を模索し、「九州でのグルーピング、エリアネットワークの拡大を進めたい」(ダンガミ)としている。
両社の売上高は、ダンガミ44億5000万円(2008年1月期)、寺本酒販23億円(同年9月期)。単純合算の売上高は70億円規模になる。
背景には業務用酒販店を取り巻く経営環境の悪化がある。「少子高齢化と若者を中心にお酒離れが進み、かつ景気の後退感から低価格商品の割合が増しており、売上規模の縮小と収益力の低下に歯止めがかからない状況」。状況打開のため、両社の得意商圏をサポートし合う提携を選択したことになる。両社はともに、業務用酒販店が連携し活路を模索する全国組織、サマーソルトに加盟しているが、実業レベルでの提携によって一層、機動力が発揮でき、広域商圏を視野に、質の高いトータルサービスが実現できると判断した。
当面は人材交流を図りながら、顧客や業務システムなどの情報や物流サービスの充実、仕入購買力の強化を目指す。