業酒連 三層で意見交換会

2010年12月07日

 全国酒類業務用卸連合会(谷口満勇会長)は10月7日に開いたメーカー、卸売業者との生販三層意見交換会の報告書を作成し、このほど公表した。

 榎本一二副会長(会長代行)は、「メーカーは業務用市場をどのように認識しているのか」とメーカーに質問。これに対しメーカー側は、「酒類の業務用市場は成長性に関して非常に厳しい現状だ。メーカー間、卸間・小売間の競争も厳しくなっており、価格競争も激しいということは、共通の認識。商品開発、飲み方の提案、業態の提案、新しい飲み場の開発を通じて事業の活性化を図ることが、メーカーが行う役割だと思う」などといった回答を行った。

 さらに榎本副会長は、「特に生ビールの樽など、業務市場におけるメーカーの力が大変強くなり、頭越しで業務用市場に対して関与することにつながっている。関与しすぎた結果が、市揚の混乱を招いたのではないかと疑念を抱いている」と意見を求め、メーカーは、「業務用市場に関しては、飲み方やコミットメントとして、直接、コンタクトを取っているが、あくまでそういった販促活動は、業務用酒販店と連動しながら進めている。これからも業酒用酒販店とともに業務用市場の活性化と飲用需要の確保を進めていきたい」などと回答した。

 また、「全国の卸業者が業務用市場に参入してきている。売り場を失ったがために仕方がない、または戦略上仕方がないということだが仕入れ値に差がある中で同じ市場で競争している」と指摘したのに対し、メーカーは、「卸としての本来的な業務に注力し、業界全体の公正な取り引きに取り組んでもらいたいと思う。こうした流れは、利益の出ない状況を助長し、卸自体の首を絞めるということにもつながると思う」との見解を示した。これに対し全国系卸からは、「過去に実績があるというところに関しては継続しているが、積極的に市場を獲りにいっているという状況ではない」と回答した。

 意見交換会ではそのほか、メーカーに対し三層価格の復活を提言したほか、低価格韓国産缶ビールに対する考えを聞くなどした。

 榎本副会長は「グローバル化、価格崩壊の流れの中で、ブランドカをつけていく事は、メーカーの大仕事だと思う。その場合、流通の存在を考えていく事が大切。新しい流通を確立していくことについて、協力いただきたい」と呼びかけた。