キリンビール 珠海麒麟統一酒有限公司を実質完全子会社に

2005年12月27日

 キリンビールは、グループ会社である中国の珠海麒麟統一酒有限公司(広東省珠海市)を通じ、珠海市内に現在の2倍の製造能力と優れた醸造設備を持つ新たなビール工場を建設する。2006年2月に着工し、2007年6月に竣工する。あわせて、珠海麒麟統一社への共同出資パートナーである統一企業公司が保有する持分をすべて取得し、中国における酒類事業の拠点である麒麟(中国)投資有限公司の100%子会社とするための準備を開始する。11月23日に合意したことを受け、年内に持分の譲渡を行うとともに、社名も麒麟酒(珠海)有限公司に改める。
 キリングループでは今回の事業展開に100億円規模での投資を行うほか、将来的にはさらなる製造能力の拡大も視野に入れ、競争の激しい中国市場における勝ち組を目指して積極的な活動を行っていく。
 経済成長著しい中国は、ビール市場も拡大を続けており、ビール生産量、消費量ともに世界1位となっているなど、今後の動向が注目されている。キリングループでは、中国市場の中でも東北三省と華東の長江デルタ地域、華南の珠江デルタ地域の三つを重点地域と位置づけ、積極的な事業展開を行っている。
 今回、新工場を設立し生産効率を大幅に向上させることでコスト競争力を強化するとともに、珠海麒麟統一社を完全子会社化することで、スピーディーな意思決定や機動的な事業展開の実現を図っていく。
 新工場では、世界レベルの環境先進性を持つ設備を導入し、高品質の生ビールを生産する清潔感あふれる省エネ型工場を目指していく。さらに、同社の技術陣約10名が現地に駐在し直接陣頭指揮を執ることで、キリンビールの高い技術力や品質管理のノウハウを導入し、グループシナジーの拡大を図る。珠江デルタ地域だけでなく、長江デルタ地域、香港、台湾、フィリピンにも本格的に出荷する。将来的には、2005年に中国上海市で販売を開始した「キリンチューハイ氷結」などの製造も視野に入れるなど、キリングループのアジアにおける生産拠点として位置づけます。
 【新工場の概要】▽所在地=広東省珠海市香洲区金鼎工業区▽面積=20万平方m▽生産品目=ビール(びん、缶、樽)▽生産規模=20万KL(現工場の生産能力は10万KL、将来的には40万KL規模を予定)▽投資額=約4・5億元(約66億円)▽竣工=2007年6月