国分と丸紅が提携

2015年11月02日

 国分と丸紅は10月28日、来年2月末を目処に両者の子会社の株式を持ち合うなど、相互資本参画を通じた提携基本契約書の締結について合意したと発表した。国分はこれまで菓子、冷温体制が不十分だったことや、丸紅の原料調達力を生かし、「原材料から国分ブランドを構築するとともに、製造機能にも磨きをかけることで製造卸として高めたい」(國分晃副社長)考えから今回の合意となった。

 国分と丸紅は昨年12月から協議を続けていた相互資本参画を通じた提携基本契約書の締結について合意したと発表した。
 提携の範囲は、首都圏エリアにおける食品卸事業、全国における低温卸事業及び菓子卸事業、並びに食品事業分野における両社の協業となっている。

 具体的な提携内容は①丸紅は首都圏を事業基盤とする国分の子会社である国分首都圏の株式を20%取得。これにより連結決算の対象となり、丸紅から役員を一人派遣する予定②国分は冷凍食品卸事業の強化を目的に、丸紅の子会社であるナックスナカムラの株式51%を取得する。併せて両社は国分の子会社である国分フードクリエイトとナックスナカムラとの協業を通じて低温事業の強化を推進する③国分は丸紅の子会社である山星屋の株式20%を取得する④両社は相互の資本参画を通じた本対象会社の企業価値向上の追求、並びに協業による食品卸事業における新たなビジネスモデルの構築に向け、両社で設置する提携推進委員会にて具体的な協業の内容を検討する――となっている。

 スケジュールとしては来年1月1日に国分のグループ組織再編が実施された後、2月末に両社による本対象会社の株式取得を行う。国分がフルライン卸を掲げる中で、菓子、低温の体制が十分ではなかったため、今回の提携ではその部分を補う形となる。

 10月28日に都内で行われた記者会見では両社の社長・副社長が登壇。国分の國分晃副社長は今回の提携について「丸紅の原料調達力を生かし、原材料にまでさかのぼる形で国分ブランドを構築したい。農水畜産物の提案や製造機能にも磨きをかけ、『製造卸』として当社を高めていく」と語った上で、具体的な方針としては「マーケティング機能の相互活用や、共同商品の開発、相互のセンター利用や、共同購入でのコストダウンを図りたい」と述べた。

 【各社概要】

 <国分首都圏㈱>▽所在地=東京都江東区新砂▽代表取締役社長=内藤悟▽事業=食品・酒類卸売業▽売上高=約4050億円(グループ再編後の2016年12月期の想定売上高)▽資本金=11億1000万円▽株主構成=国分80%、丸紅20%

 <㈱ナックスナカムラ>▽所在地=大阪市淀川区西宮原▽代表取締役社長=前田一郎▽事業内容=冷凍食品等の卸売業▽売上高=約981億円(連結・2015年3月期)▽資本金=15億4600万円▽株主構成=国分51%、丸紅49%

 <㈱山星屋>▽所在地=大阪市中央区南船場▽代表取締役社長=小西規雄▽事業内容=菓子等の卸売業▽売上高=約2594億円(連結・2015年3月期)▽資本金=22億円▽株主構成=丸紅75・6%、国分20%

 <国分フードクリエイト㈱>▽所在地=東京都中央区日本橋▽代表取締役社長=山崎佳介▽事業内容=チルド食品・冷菓等の卸売業▽売上高=613億円(2014年12月期)▽資本金=9000万円▽株主構成=国分100%