【大分】三和酒類(本社・宇佐市、下田雅彦社長)が3月22・24・26日「大見尾圃場」で、ワイン用ぶどう苗木の植え付け体験会を催した。一般公募で各日25人、計75人を募集。「安心院ワイン、そして日本ワインの魅力をより身近に感じてほしい」と企画した。
大見尾圃場は、同社が出資する農業法人㈱石和田産業(本社・宇佐市、古屋浩二社長=「安心院〈あじむ〉葡萄酒工房」工房長)を通じ、大分県宇佐市安心院町に取得した15 haの自社管理ぶどう畑。2023年までの植え付けは7・2haを見込み、以下品種の栽培を行う。▽白ワイン用=シャルドネ、ヴィダルブラン、アルバリーニョ▽赤ワイン用=ビジュノワール、ピノノワール、タナ、カベルネフラン、メンシア、ピノタージュ。
現在、同圃場のほか「下毛圃場」「矢津圃場」の3圃場を石和田産業が「安心院の丘農園」として管理している。
宇佐市では、1964年から宇佐平野への供給水源となる駅館川(やっかんがわ)を活用した農業水利事業と、安心院町を含む中山間地593haに及ぶ開発事業が開始された。安心院町では、気候的な条件と中山間地で収益性の上がる作物としてぶどうが作付けされ、西日本有数のぶどう生産地域として産地形成が行われることになった。
これを受け同社は1971年、果実酒製造免許を取得し「アジムワイン」の生産を開始。当初は院内町や旧宇佐市にある本社工場敷地内で生産していたが「ぶどう産地でのワイン生産と多くのお客様へワインの楽しさをお伝えするため」、2001年に安心院町内に「安心院葡萄酒工房」を設立した。2006年からは安心院町産のぶどうのみを利用したワイン生産にシフト。2011年から自社畑の拡張を始めた。日本に初めて導入されたぶどう品種も含め、ワイン専用品種を多種栽培し安心院町に適したぶどう品種の選定を含めた品質向上を目指すことで「ぶどうとワインの産地として安心院町の賑わい創生に貢献すると共に、日本のワイン産業の発展にも寄与したい」としている。