日本酒造組合中央会は、令和4FY(令和4年4月~令和5年3月)の清酒・単式蒸留焼酎の課税移出数量をまとめ発表した。令和4FYの清酒の課税移出数量は、40万1912㎘となり、前年同期の40万2110㎘に比べてほぼ前年並みでの着地となった。また、単式蒸留焼酎は、37万6721㎘となり、前年同期の37万5477㎘に比べて0・3%の増加となり、清酒、単式蒸留焼酎ともに前年並みでの着地となった。
同期間の清酒主産地の課税移出数量は、▽新潟県=3万3618㎘で2・1%増▽京都府=7万4850㎘で4・2%減▽兵庫県=10万3201㎘で4%減▽福島県=8534㎘で11・2%減▽秋田県=1万5613㎘で0・2%減▽広島県=7461㎘で3・4%増――となり、清酒の主産地では新潟県と広島県の2県で前年の実績を上回った。
タイプ別の課税移出数量は、▽吟醸酒=6万6359㎘で7・7%増(うち純米吟醸酒は4万6628㎘で10・4%増)▽純米酒=5万5989㎘で5・9%増▽本醸造酒=2万5263㎘で4・1%増▽一般酒=25万4302㎘で3・4%減(うち生酒は3万5883㎘で6・2%増――となり、業務用の回復で特定名称酒は回復傾向にあるものの、コロナ禍で増加していた一般酒は減少となった。
また、単式蒸留焼酎の主産地の課税移出数量は、▽福岡県=3万8288㎘で5・1%減▽佐賀県=4250㎘で2・4%増▽長崎県=2427㎘で14・1%増▽熊本県=1万1512㎘で1%減▽大分県=8万6134㎘で4%増▽鹿児島県=9万201㎘で1・3%減▽宮崎県=11万5399㎘で0・6%増▽沖縄県=1万6043㎘で7・2%増――となり、福岡県、熊本県、鹿児島県で前年実績を下回った。
原料別の課税移出数量は、▽さつまいも=16万3840㎘で0・9%減▽米=3万304㎘で3・2%増▽麦=16万4426㎘で1・3%増▽そば=6696㎘で5%減▽酒かす=475㎘で7・2%増▽その他=1万980㎘で0・8%減――となり、さつまいも、そば、その他の原料で前年実績を下回った。
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令和4FYは、コロナからの回復が進み、飲食店も通常営業に戻ったことから、清酒、単式蒸留焼酎も大幅な伸びが期待されていたものの、ほぼ前年並みでの着地となった。清酒は、特定名称酒がいずれも増加した一方、主産地での普通酒の減少が大きく響いた。しかし、41都道府県で前年比プラスで着地しており、次年度以降さらなる回復が期待されている。
これにより、清酒の石数は、222万8008石となり、単式蒸留焼酎は、208万8361石となった。